「冬 の 外 気」
小 野 三 嗣
東京学芸大学 名誉教授
六甲おろしが身にしみる冬の戸外など考えただけでぶるぶるっとする日は、暇さえあったら暖房のよくきいた暖かい部屋で、のんびり寝そべりながらテレビを見ているときが極楽だと思っているかもしれませんが、それがどれだけ我が身をむしばむことになるか、強く警告します。
昔から春夏秋冬の季節差がはっきりしている温暖地帯に居住している人達が、その他の熱帯や寒帯に住む人々と比較して丈夫で長生きする傾向が強いと言われていることを御存知ですか。
冬は風雪にさらされ、夏は炎熱の刺激にたえるという寒暖の変化に適応しなければならないことが心身を鍛える形になることで、それらに負けない体力をつけることになるからです。
一般的に見て、エアコンを売りつける業者に限らず、その機器の良いところは微に入り細にわたって説明しても、欠点や使用上の注意などはサラッと流すだけにしがちです。
加湿器を併用すれば湿度低下が防げるというのは理論的には正しくても、アルミサッシや高断熱材が使われている木造住宅の内部結露による木材腐敗による耐用年数の低下などまでは教えてくれません。
日本の内地などとは比較にならない北欧の厳寒期でも常に換気に注意するのが常識とされています。
猫ならばコタツで丸くなっているのも絵になるかもしれませんが、人間の場合、特に分別さかりの大人がそれをしていたのでは笑いものになるだけです。家中の扉や窓を全部あけて風通しをよくしている時間ぐらいは、かぜなどひかぬよう防寒服を身につけて、外気を肺から取り入れながら、颯爽と歩きまわってみたらいかがですか。