税務相談業務事例発表
「減資について」
芝 池
勉
公認会計士税理士
(問)資本金が5千万円の会社を経営しておりますが、事業規模が縮小してきたので資本金を1千万円に減らそうと考えております。減資について税務上の取扱いも含めて教えて下さい。
(答)会社の資本の額を減少させることを減資といいます。減資は、次のような目的で行われます。
1.事業を縮小・整理するために株主に財産の一部を払戻す目的で、減資を行う。
2.欠損金が生じている会社が、欠損金を補てんする目的で減資を行う。
3.欠損会社が再建を図る場合に、減資と増資を組み合わせて行う。
4.その他合併により過大となった資本金を減らすために減資を行う等。
減資の方法としては、(1)額面金額を減少する方法、(2)株式の併合による方法、(3)株式を消去する方法等があります。又、会社の財産を株主に払戻す有償減資と株主に対して会社の財産の払戻しをしない無償減資があります。
減資を行うためには、商法の規定により、株主総会の特別決議と債権者保護手続として債権者異議申立公告及び催告が必要です。
減資に関連する税務については、減資を行う会社とその株主とに分けると次のとおりです。
1.減資会社
有償減資の場合には、減資によって減少する資本金の額が株主に対して払戻される金額より少ないときは減資差損が発生し、逆の場合には減資差益が発生します。減資差損、減資差益とも資本等取引ですので、税務上は損金、益金の額にいずれも算入されません。
無償減資の場合は、資本金の金額が減少しますので、同額の減資差益が計上されますが、上記と同様に資本等取引のため税務上は益金の額に算入されません。
2.法人株主
有償減資による払戻しにより法人株主が減資会社より交付を受けた金銭等の金額がその株式の税務上の帳簿価額を超える場合には、その差額は有価証券譲渡益と認識されます。税務上は、この超える金額のうち、減資会社の資本等の金額(資本金と資本積立金との合計金額)から構成される部分以外の金額、すなわち利益積立金額(利益準備金や剰余金)から成る部分の金額は、受取配当金とみなされます(みなし配当)。このみなし配当については、一般の受取配当金と同様、益金不算入の対象となります。
3.個人株主
有償減資により個人株主が交付を受けた金銭等の金額が、減資会社の資本等の金額を超えるときは、その超過額は配当とみなされ配当所得となります。なお、個人株主が交付を受けた金銭等の金額と減資会社の資本等の金額とのいずれか低い金額が、その個人株主のその取得価額を超える場合には、その超過額は有価証券の譲渡所得として課税されます。