巻頭言
 『持続的に発展可能な都市をめざして』 

神戸市長  笹 山 幸 俊

   震災から4年8か月が経過しました。この間、市民の皆様、事業者、関係諸機関の復興への努力と、国内外からの励ましやご支援により、全体としては復興は着実に進んでまいりました。しかし、震災による直接的な被害だけでなく、日本経済の不況や震災前からの構造的な課題などが重なって、全体の復興が緩やかなものになるとともに、市民生活を支える神戸の経済は震災前の8割程度の回復にとどまっています。
 本格復興をめざして、神戸のまちを震災前以上に魅力的で活力のある都市として持続的に発展させていくためには、高齢化・少子化や国際化・情報化、市民の生活圏の広域化、地球環境問題への対応などの「時代の潮流」を見据え、「神戸のまちの特性」を生かしながら、活力ある経済構造や安全・安心で快適な生活環境をつくっていくことが必要であると考えています。
 現在、神戸市では、人・もの・情報の行き交う要衝をつくり出すことにより、経済の活性化を図り、就業機会を増大・確保していくため神戸空港の平成17年度開港を目指しています。開港により観光関連産業などの発展、臨空型産業などの新規立地のほか、地場産業など既存産業の高度化、販路拡大にも弾みがつくことが見込まれます。また、21世紀の成長産業である医療・福祉関連産業の誘致・育成を図り、神戸経済の復興や市民福祉の向上などを進めるため、神戸医療産業都市構想を推進しています。神戸には従来から優れた技術を有する中小製造業が多く、医療・福祉関連産業を育成・誘致するうえで有利であり、医療・福祉関連産業の振興は既存の中小製造業に新しいビジネスチャンスをもたらすことになります。
 さらに、自然と共生し、ネットワーク型の都市構造を持つという「神戸のまちの特性」を生かして、身近な生活の場において住民が安全で安心して快適に暮らすことのできる自律的な生活圏が相互に連携し、多重にネットワークするコンパクトな都市(コンパクトシティ)を、市民・事業者と市との協働のまちづくりによってつくっていきます。
 このような「時代の潮流」や「神戸のまちの特性」を考慮したまちづくりを積み重ねながら、すべての人が住み続けたくなり、訪れたくなる「アーバンリゾート都市づくり」を進め、神戸の本格復興の実現に向けて全力で取り組んでまいりますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

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