<企業の今>   エコートレーディング株式会社
  
      ITを活かしたペット関連の
    垂直的統合企業を目指して

 高橋良一社長の一言:
「人とペットの関係を見据え、先見性をもって攻めに徹していきたい。ペット市場は今後とも成長します。」

 勤務していた食品商社の研修で米国に渡米した際、偶然ペット商品が所狭しと並んでいるのに目が止まった。ペット商品は「いける」と確信したという。間もなく退社し昭和46年当時36歳にして「エコー販売株式会社」を設立した。平成4年には現社名に変更、業績も拡大し、平成7年3月には大阪証券取引所市場第二部(特定指定銘柄)に株式を上場、平成8年1月には同取引所第二部に指定。現在、ペットの卸売業のみでなく、製造から小売、ペットに関する教育産業まで分野は広がっている。その高橋良一社長に経営哲学やITの活用などについて聞いてみた。

<ITの活用で問屋がなくなると言う危惧もありますが>
―情報化により「売れる商品を供給する卸売業」に徹するー
 確かに、極論すると流通の中間マージンを取るだけの卸売業の役割は20世紀で終わる。日本の流通業は複雑で、外資系の小売業やメーカーからは卸売業の存在そのものが奇妙がられる。特に「物を売り、流れを管理するだけの卸売業」は次第にその役割が小さくなると思う。「売れる商品を供給する卸売業」が本来の役割だと思う。
 当社は卸売業としてメーカーや小売に役立つ情報・システムを提供できる最新のトータル情報システム・ECCS(エコートレーディング・コスト・コントロール・システム)を築き上げた。全国展開で求められるのは、効率よく、より広範囲にスムーズかつスピーディな物流を行うこと。全国17ヶ所に営業・物流拠点を有し、業界に先駆けて物流センターにPOS(販売時点情報管理システム)やEOS(受注管理システム/オンラインで情報を交換するシステム)を導入した結果、誤納、遅納がなくなった。さらに、これらを活用するために、誰もが簡単に扱えるEDI(電子データ交換システム)を採用、物的・人的ロスの軽減に役立っている。当社の営業マンは、収集された販売データを基に、小売業での店舗陳列の棚割をコンピュータの画面上でシミュレートし、小売業に対し、どうすれば売れるかという「提案型の営業」を行っている。また、メーカーに対しても、発注の簡素化や統一化、照合・支払い業務の自動化、実績情報のデータ交換などを行い、商品の安定供給につなげている(注1)。

<ペット市場は1兆円といわれていますが>
―総合的にペットのことが分かる人材が必要―
 高齢化・少子化が進む限り、ペット市場は拡大する。ペットがすっかり家族の一員になり、今やペットとガーデニング商品は人の心を癒すものとして定着・成長している。これだけ、家族数が減るとペットも家族同様になっている。最近「コンパニオン・アニマル」という言葉がある。これは人間が一方的にペットに愛情を注ぐ関係から、お互いに愛し合う関係に変化したことから出てきた言葉だ。
 犬、猫だけでなくペットに対する需要も多様化する。現在、ペット業界は犬、猫、小鳥、小動物、鑑賞魚の5分類に分けているが、これらにそれぞれフード、用品、生き物、グッズ各分野があり、これを掛け合わせると20分類にもなる。さらに、サービス業として美容院、病院、墓地などがある。また、マンションもペットの飼育を禁止するのではなく、最近、ペットが飼えることを謳い文句にしたマンションが続々と登場している。
 小売業も大型化の傾向にあり、外資系企業の進出もあって競争は激化する。そのため、ペット業界ではかなり広範な知識を持った人材が求められている。当社では2000年4月に「エコーペットビジネス総合学院」(JR尼崎駅北わんわんぱーく内)を新設、ペットのトリミング、しつけ、マーケティング、マネージメントなどを総合的に学べるような学校にした。従来、犬の美容学校などペットの一分野だけの教育機関は全国に多いが、これからは総合的な教育のニーズが高まる。そうでないと店員として大型のペットショップの店頭に立った時、お客様の質問に何も答えられなくなってしまう。

<仮想商店街「ペットペット」が立ち上がりましたね>
−ITは先取りしないと遅れるー
 当社は伊藤忠商事などとの共同出資でこの3月、ペットのコンテンツ配信会社「ペットペット」(東京都港区、関根大介社長)を設立し、7月にはペットショップの仮想商店街(http://www.petpet.ne.jp/)を立ち上げた。全国のホームセンターやペット専門店などが参加し、メーカー約50社のペットフードや首輪、小屋など約1万アイテムを取り扱っている。インターネット上で、希望の商品をクリックすると、その商品を取り扱う店舗のホームページに繋がる。この他、動物病院、しつけ教室、ペットと泊まれる宿などの検索ができる。これは勿論iモードや他の携帯電話でも検索できる。今秋以降はファミリーマートなどが出資した電子商取引会社ファミマ・ドット・コムとも接続する。
 当社は時代を先取りしてITビジネスにも注力しているが、これは先手を打たないとネットビジネスは商売にならないからである。現在は業界の中で、ナンバーワン企業と2番手企業の格差が広がる時代といえる。ITに関してはやはりBtoB(企業対企業)は有望だが、BtoC(企業対個人)は、まだ、2〜3年は時間がかかると思う。むしろ、「この血統の犬を探しています。この猫を差し上げます」のようなCtoC(個人対個人)またはCtoBtoC(個人が企業を経由して個人に)などの方が先に行くかもしれない。
 ペット業界団体(全国ペットフード・用品卸商協会、ペットフード工業会、日本ペット用品工業会)は2001年1月から共同で、インターネット上にデータベースを構築し、小売業向けの新商品情報の提供などから始め、EDIによる受発注につなげる。商品名や商品コードなどの文字情報と商品外観など画像情報を蓄積し、2001年1月からメーカーや卸業、小売業が商談に活用する。この業界の情報化はますます進展すると思う。

<ペット商品の垂直的統合企業を目指されていますね>
―ペットをコアに情報提供産業への変革が生き残りの条件―
 当社はペット・コミュニティ・プラザを4店舗出店しているが、来年中に大型ショップを20ヶ店出す予定。また、メーカー部門も手がける「製・配・販」の垂直統合企業を目指す。21世紀のグローバル時代には、外資系企業の盛んな進出が見込まれ、特に小売分野での競争は熾烈になる。当社は「ペットとの新たな共存」のコンセプトのもと、ペット商品をコアにした情報提供産業に変革していきたい。これからも創意工夫しながら、まだまだ変動を続ける「人とペットとの関係」の将来を見据え、先見性をもって、攻めに徹していきたい。守りに回ると止まってしまう。ペット市場は今後とも必ず成長

(聞き手:水上 潤)

(注1)当社では長期ビジョンに基づく最新のトータル情報システム・ECCS(エコートレーディング・コスト・コントロール・システム)を構築、情報を「収集する」→「引き出す」→「活用する」というサイクルをスムーズに行うことで、「情報を活用する」体制を確立。ECCS(エコートレーディング・コスト・コントロール・システム)は、小売業をサポートするERSS、メーカーをサポートするEMSS、物流を管理するEDSSからなる。
(当社のパンフレットより抜粋)

会社概要
 本  社
  西宮市鳴尾浜2丁目1番23号
 資 本 金  14億22百万円
 売 上 高  409億57百万円(平成12年2月期)
 経常利益  9億14百万円(   〃   )
 従業員数  260人(平均年齢35.2歳)